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mirunoteチューターの代表として、20名以上の医学部留学をサポートしてきました。イタリア医学部、チェコ医学部、スロバキア医学部の合格実績あり。プロフィールはこちら。
基本情報
書籍名 | 照井式解法カード 改訂版 |
科目 | 化学(Chemistry) |
出版社 | 学研プラス |
分量 | 440ページ(理論)、272ページ(無機)、384ページ(有機) |
電子版 | なし |
mirunoteチューターの指導方針にもあるように、イタリア医学部入試で高得点を取るためには、化学の基礎知識を身につけることが重要です。
とはいえ、日本語で勉強したい場合にイタリア医学部入試に適した参考書を探すのは難しいでしょう。
本記事では、イタリア国立医学部・私立医学部に上位合格した医学生がオススメする照井式解法カード の特徴と使い方、注意点を解説します。
『照井式解法カード』は、化学が得意な方にもオススメできる参考書ですので、本記事を最後まで読んで、化学の入試対策を始めてください。
照井式解法カードの概要
難易度 | |
分かりやすさ | |
必要な時間 | |
オススメ度 |
『照井式解法カード 改訂版』は、理論化学・無機化学・有機化学の3冊が出版されており、全部で1000ページ以上の分量があります。
分量だけをみると非常に多く絶望しそうになりますが、実際には解法カードだけを勉強しても、ある程度の化学の基礎知識を身につけることが可能です。
解法カードは、本書のタイトルにもあるとおり、化学の重要事項をコンパクトにまとめたもので、基礎知識のほとんどを網羅しています。
本書は、教師と生徒の会話形式で書かれており、教科書の内容をわかりやすく、受験生が躓きそうな点を重点的に解説していますが、基本的な説明が省略されている(特に理論化学)場合もあるため、内容的には中級者向けの参考書となっています。
照井式解法カードがイタリア医学部入試にオススメの理由
結論から申し上げると、本書の内容を理解するだけでイタリア医学部入試に必要な化学の基礎知識の多くをマスターできることが最大の理由です。
前述のとおり、照井式解法カードは分野ごとに、理論化学・無機化学・有機化学の3冊がありますが、そのいずれの内容も教科書を掘り下げた内容で、基礎知識の暗記に最適な解法カードが付属しています。
イタリア医学部入試で問われる化学は、理論化学・無機化学・有機化学から満遍なく出題され、丸暗記では高得点はを取るのは難しいです。
本書を利用すれば、参考書として内容を理解したうえで、解法カードを利用して、必要事項を暗記できるため、このシリーズだけで基礎知識の習得ができます。
照井式解法カードの4つの特徴
『照井式解法カード』の4つの特徴(メリット)をイタリア医学部の上位合格者がまとめました。
- 基礎知識だけでなく、解法パターンも学べる
- 解法カードを利用して暗記に最適
- 索引付きで調べたい内容をすぐに見つけられる
- イラストやグラフがフルカラーで見やすい
それぞれの特徴を詳しく解説します。
1. 基礎知識のほか、解法パターンも学べる
よくある基礎知識をまとめた総論的な解説だけでなく、日本の大学入試で頻出の典型問題とその解法パターンを具体例として紹介しているため、実践的な入試対策が可能です。
また、問題の背景知識と解答に必要な基礎知識も含めて解説しており、これ一冊で大学入試に対応できる参考書となっています。
すべての科目に言えることですが、参考書はあくまで問題集を解くまでの知識をインプットすることに長けているもので、解法パターンまで詳しく紹介している教材はほとんどありません。
とはいえ、イタリア医学部入試で問われる問題とは異なる典型問題も多いため、本書を利用する場合は、基礎知識のインプットに重点を置き、問題の解説は軽く読み流すだけでOKです。
大学にもよりますが、特に有機化学の構造決定問題などは出題されないため、無視して構いません。
2. 解法カードを利用して暗記に最適
本書の名前にもある「解法カード」は、化学の重要事項をコンパクトに整理しており、この解法カードだけを利用して、化学の基礎知識を身につけられます。
例えば、無機化学では、化学物質の主な製造法や性質などがまとめられており、無駄な情報を省いているため、暗記するにはうってつけです。
暗記する際にはノートや単語帳を作る方もいるかと思いますが、作業時間が多くかかってしまい、非効率的なため、あまり推奨できる勉強法ではありません。
しかし、解法カードを利用すれば作業時間なしですぐに復習・暗記ができるため、3分野(理論・無機・有機)の解法カードを積極的に活用して、基礎知識をどんどん習得しましょう。
3. イラストやグラフがフルカラーで見やすい
本書では、フルカラーのイラストやグラフが適度に資料されており、解説されている基礎知識の理解と深めることが可能です。
化学の参考書の中には、白黒のものもあったり、イラストやグラフ・図などがなく、文字が中心のものもありますが、本書は見やすいような工夫が随所に見られます。
とはいえ、イラスト中心の参考書ではなく、適度な量しかないため、文字で要点をおさえたい方には、内容が頭に入ってきやすいため、特にオススメです。
4. 索引付きで調べたい内容をすぐに検索可
参考書には珍しく、最後に索引がついており、索引を利用して、単語の意味をすぐに調べられます。
化学を学び初めた頃は、分からない単語が色々と出てくるものですが、従来の参考書では目次から単元を見て確認しなければならず、トピックがわからなければ、参考書から単語を見つけ出すのは困難です。
しかし本書を利用すれば、わざわざ目次から探すこともなく、索引から確認したい事項を探せるため、後ほど解説する辞書としての利用がオススメです。
照井式解法カードの使い方
イタリア医学部入試対策での『照井式解法カード』の利用方法は、次の2つです。
- 基礎知識の取得の教材として利用する
- 辞書のように利用する
それぞれのケースでの利用方法を詳しく解説します。
1. 基礎知識の取得の教材として利用する
mirunoteチューターの指導方針にあるとおり、イタリア医学部入試の化学(Chemisty)で高得点を取るためには、基礎知識の習得と典型問題の解法パターンのマスターが必須です。
照井式解法カードでは、基礎知識だけでなく、細かな知識や日本の教科書を逸脱した知識も多数紹介されており、入試対策に適した参考書と言えます。
化学が苦手な人は、基本事項、特に重要事項を中心に読み進めるのがオススメです。また、化学が得意な人は、細かな知識やうる覚えの知識などの再確認のために一読はしましょう。
2. 辞書のように利用する
本書は索引がついているため、問題集や過去問、他の参考書を読んでいて、単語の意味を確認したいときに、辞書の代わりとして活用できます。
特に無機化学や理論化学は、基礎知識だけでなく、豆知識や教科書を逸脱した内容をギュウギュウに詰め込んでおり、下手にChatGPTなどに頼るより、有益な情報を得られます。
問題演習で抜けている知識や理解があやふやな単語が出てきたら、本書の索引を利用して1つずつ確認して、化学の基礎知識をマスターしましょう。
照井式解法カードの利用時の2つの注意点
イタリア医学部入試対策に『照井式解法カード』を利用するときの注意点は、次のとおりです。
- イタリア医学部入試対策としては内容が難しい
- イタリア医学部の入試範囲と同じではない
それぞれの注意点を詳しく解説します。
1. イタリア医学部入試対策としては内容が難しい
照井式解法カードは、テキストが中心で文章を読むのが苦手、漫画のようにイラストが多めでないと勉強できない方には向いておりません。
また、基本的な説明は省略していることが多く、説明も簡潔に書かれているため、初学者向けの教材とは言い難いです。
重要なことは、何を使って勉強するかではなく、化学の基礎知識の習得です。それができるのであれば、本書を利用しなくとも構いません。
本書の内容が難しすぎると感じた場合は、本書の代わりに『宇宙一わかりやすい高校化学』がオススメです。イラストが豊富で、化学が苦手な方や初学者の方にも定番の参考書で、イタリア医学部入試対策にもオススメできます。
2. イタリア医学部の入試範囲と同じではない
照井式解法カードは、当然のことですが、日本の大学入試に特化した参考書です。
そのため、イタリア医学部で出題されない分野(また逆に、イタリア医学部入試では出題される分野)があり、これを把握していないと、時間を無駄にしてしまいます。
また、日本の大学入試で頻出の内容でも、イタリア医学部入試では問われない基礎知識もあります(逆もあり得ます)。
本書を利用する場合は、受験する大学の出題範囲を確認した上で、効率的に化学の基礎知識を取得してください。大学ごとの詳しい出題内容は、別記事で解説します。
リンク
大学によって、出題される範囲や頻出問題が異なるため、参考書を読み進める際は、担当講師の指示通りに読み進めていくのがベストです。
照井式解法カードの併用したいオススメ参考書・問題集
化学は出題パターンや必要となる知識があらかた決まっており、典型パターンの解法と基礎知識のマスターが、高得点を取る決め手となります。
そのため、化学を勉強する際は、各種問題集(過去問やオリジナル問題集)の併用を強く推奨します。
また、化学はイメージも非常に大事です。化学の無機化学は特に、視覚情報で覚えるのが有効なため、頻出の知識の理解を確実にするため、化学図録を使って、イメージを意識し、定着させるのがオススメです。
照井式解法カードを利用して、入試対策をしよう
本記事では、『照井式解法カード』の特徴と使い方、利用時の注意点を見てきました。
『照井式解法カード』は日本の大学入試用の参考書としても人気がありますが、文章がメインの参考書で、説明も簡略化されていることが多いため、難しすぎると言われることもある参考書です。
内容的には、理論化学の評判は、内容が簡略化されすぎているため、イマイチですが、無機化学・有機化学の評判は良く、実際に網羅されている知識は一般的な参考書よりも多いように感じます。
私自身も受験生のときに愛用して使っており、解法カードはもちろんのこと、会話形式で進む参考書のテンポの良さとわかりやすい図やグラフがあることで、化学を楽しく学ぶことができました。
イラストを多用した参考書が苦手な場合は、まず『照井式解法カード』に取り組んでみてください。本書を利用したうえで、化学の用語の英単語さえ覚えれば、イタリア医学部入試にもある程度対応できますよ。
今回は、以上です。